ラピスからの顔料作り

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ひょんなきっかけで、ラピスのさざれを手に入れたのでつくってみました。

以前ちょっと記事にしたのですが、ただ砕いただけだとこんな感じの色合いです。

※左(白番くらい)、上(15番くらい)、右(12番くらい)の順で細かいです→番号の粗さについてはこちらを参照ください

どうでしょう、結構薄い、、というか意外とくすんだ色合い、、よく言えばソフトで落ち着いた色、な感じです。

こういう色合いが好きな方は、青い所だけ抽出なんてしないで、いっそこのままでいいのに〜と思うかもしれませんが、、、個人的にはあまりお勧めできないです

理由は“塗りムラが出る”そして“劣化変色の恐れがある”からです。

 

そもそもラピスラズリは複合鉱物といって、その名のとおり色々な鉱物が混ざり合って出来ています。そしてそれが、この彩度の低下を招いています。

その混ざってる鉱物の中でも厄介なのが黄鉄鉱

愚者の金なんて呼ばれる金色の鉱物です。鉱物サンプルとかで青に金色のラインが入っているといかにも高貴でカッコいいのですが。。いざ粉砕して顔料にすると、

まず、青と黄色は色相が逆なのでケンカしてしまい彩度が落ちます。ラピス本来の鮮やかな青色が出ないのはこの為です。まぁ色だけなら好みなので人によっては気にならないと思うのですが..

もっとよくないのが変色劣化しやすい事です。

顔料に大事なのの一つに安定性というのがあると思います。

赤色で塗った所が数ヶ月後、数年後に真っ黒になっちゃったらちょっと困り者ですよね。(もちろんその変化をわかった上で楽しむって言うのはひとつの手だと思います)

または、買った絵が数年後、何にもしてないしちゃんと保存していたのにのにポロポロはがれてきてしまったなんてのも困りものです。

そういった保存科学の観点から、やはり、この黄鉄鉱を除いた状態で使った方がベターかなと思います。

しかもこの黄鉄鉱、面倒な事に青色の鉱物と比重も固さも似ているため、本当取り除きづらい。。。

でも手をかけるほどだんだん青みが増して行く作業は、実は結構癖になる楽しさがありまして、、、やり始めるとなかなかとまらないものがあります!笑