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絹制作と表装

春ごろにスケッチをしていたヤマボウシ

絹本でコツコツ制作し、この度とても素敵に表装していただきました

一から10まで全ておまかせでお願いしていたので、ドキドキだったのですが、

先日届いたのを広げ思わず、おおお..!と呟いてしまいました。

今回の作品は胡粉の白をいかに美しく引き出せるかを一つのテーマとして試みたものです。

庭の片隅で、春の夕闇に穏やかに光るヤマボウシ

淡い錆白緑とベージュの表装は、見事にそれを助けてくれています

”表装”と一言で言っても色は何通りもあり、その組み合わせとなると何万通りという想像しただけで気の遠くなる数字です

その中で組み合わせを選び構成することが、どれほど大変で研鑽が必要なことなのか..職人さんはすごいなと、もう感嘆するしかありません

これまで麻紙に描いて額装する事が多かったのですが

近くにこんなに良い表具師さんがいると知った今、絹にもどんどん挑戦してみたいです

アジサイ(紙本着彩)

先日スケッチしたアジサイを小作品にしました

下地は以前試して面白かったので、銀箔の上に薄い手漉き紙を貼って作っています

見る角度によってほんのりと色が変わり、箔とはまた違った趣があります

梅雨時の薄曇りの色は、緑が映えて植物が鮮やかに見えるので好き..

なのですが、あまりの長梅雨も困りものです

湿気が多いと作品の乾きも遅いので、こういう天気の日はじっくりと考えながら作品と向き合うほかないです

日本画は墨を擦ったり、胡粉をといたり、何かといちいち手間と時間がかかりますが、その時間こそが大事なのではないかなと考えています。余計なものをそぎ落とすための時間のような

とはいえ今日久しぶりに晴れて、やっぱりお天道様はいいものだなぁとしみじみ実感しました

そろそろ夏がやって来そうですね

伝える色/ S3号

土佐光起の”本朝書法大博”に記載されている絵の具の混色例を参考に、江戸時代に使われていた色彩を再現してみました

こうして並べて見ると、数百年前から絵画の色彩はとても豊かなものだったんだなぁと感慨深いです

さらに、実はこの全64色、わずか10色の組み合わせでできています。

どんな色になるのだろうと書いてあるとおり混色して彩色してみると地味深いいい色が出来上がるので、すごいものです。

さすが何年も何年も伝わっているだけあるなとも感心するのですが

それと同時に、この色もおそらく誰かの試行錯誤で生まれたのかと思うとその歴史が偲ばれます

特にいい色、と思ったのが”紫藤”です
一番下の右から4番目の色。藍と臙脂と胡粉を混ぜてできるのですが、実にいい藤色です

なんとなく頭をよぎる藤を描いた江戸絵画もこうして描かれたのかとな思うと、なんだか歴史に触れたような嬉しい気分になります